くだらない話~車谷長吉の描く主人公について~

この方の描く主人公の話となれば、色々言いたいことがあってまとまらないのです。ただ、一つ言えるのは、どの主人公の男も男としてこれ以上無いくらいに良い男だということです。


「女の六十前がどういう年か知らないが、不意に私は、この女とまぐわいをしてもいい、と思うた。どんな女でも一度はいっしょに寝てみる価値がある。」


なんてことを小説が始まって20ページもしないうちにさらりと語り始める凄さ。逆に言えば、一度寝ただけで見切りを付けられてしまう女もいるわけで、これは恐ろしいことです。