カツ丼の出る職業安定所

コミさんは年齢一桁の頃から普通の男性にもてたことがない。大抵が無職、そうでなければヘタレである。(いや、年齢一桁はよっぽど年上でない限り皆無職だろうが…)無職でもしっかりしていればいいが、そうでないのが困る。社会参加していない人ばかりである。一番目か二番目に具合が悪かったのは四六時中、コミさんを離れた距離から眺めている人であった。彼に探偵としての素質があったかと言うとターゲットであるコミさんに知られている時点でたかが知れている。

好意を持ってくださるのは大変恐縮でありがたいことだが、コミさんは無職の男性を養えるわけでは無いし、コミさんは職業安定所では無いので仕事を探して就職させてあげることもできない。

しかし、コミさん以外の世の女性方は、実は優秀な職業安定所で無職の男性の職探しをしてあげたから、現在の夫が無事に働いているのかもしれぬ。

今日からコミさんは首に「ここは職業を探してくれない職業安定所です。来ても無駄です。しかし、カツ丼は出ます(出所する時に代金はあなた持ちです)」というカードを提げた方が良いのかもしれない。