作家の食卓
という本を、年末に買った。
個人的には森茉莉のページが気に入った。
この本のアマゾンのレビューに
作家の美意識の集大成が文学作品であるのはまちがいがなく
という一文があるが、
文学が作者の美意識の集大成であるなら、マンガやアニメといったものに対する同人活動というのは、
仲間を見つけて集団の意識を楽しむものではないかという気になった。
というのも、年末コミックマーケットに出店する人に手伝うように言われていたのだが、
会場の駅に降りた途端、ただならぬ雰囲気に気分が悪くなってしまうという経験をしたからだ。
私はその仲間になりたくないと思った。
美意識と仲間意識のミックスされた空気が、安酒と高級酒をちゃんぽんした酒の臭気のように私の全身を包んだ。
私は急いで引き返した。
そのことでひどく怒られはしたが、なんということはない。
数日後に自宅に戻った私は、まだ身体に残っていた臭気をていねいに石鹸で洗い流した。