明石さん

久しぶりに読みかけの『三四郎』を読んでみたりしたのですが、黒髪の乙女である明石さんと焼酎もしくは日本酒を酌み交わしつつ文学談義に花を咲かせたいなんて妄想が俄に湧き上がってきて、どうにも内容に集中できません。こうやって私は現実に居もしない乙女に胸をときめかせつつ、時を失っていくのかと思うとどうにも遣り切れない気分になってくるわけですが、そんな気分は年がら年中味わっているので、まあ、良いのです。

私に絵心もしくは文才があれば、全世界が驚愕するようなジャパニーズビショウジョを表現できたに違いないと思うくらい私の頭の中では完璧なる美少女、『NHKにようこそ』の作者もびっくり、ができあがっているのです。しかし、そういった才能が皆無なので、芸術家の生み出した少女達を消費し続けることしか出来ません。悲しいものです。フランスかどこかの偉い学者の小父様も現代人は芸術に生きるのがもっともどうのこうの(一番肝心なところを失念)と言っていた事ですし、きっとそういう生き方が最近は良いのかもしれません。まあ、私の本業は妄想でも芸術でも何でもないですが。