河童の頭にあるのは皿ではない?

本ブログで初めて役に立つ情報かもしれません。

河童の頭には「さら」があります。けれども、この「さら」どうやら「皿」ではないかもしれないそうです。

結論から先に言えば「つむじ」かもしれないのだとか。

「つむじ」の方言には「まきまき」、「まいまい」、「ぎりぎり」など、「渦を巻いている」状態を示す擬態語のような表現が数多くあります。その中で「さら」というものが九州、北陸に見られるそうです。

何故「さら」なのかというと、昔、「皿」はろくろで作ったり、渦状に粘土を積み上げて作成しました。その際の回転現象が「つむじ」の渦を巻いている様に重なるのではないのかということです。

ちょっと河童の方の歴史を紐解いてみた方が良さそうです。方言も現在(調査の時点で)は九州、北陸の方言ですが、昔は中央でも使われていた可能性もありますからね。河童に関する記述が中央のもので「さら」の記述があったとしてもそれが「皿」なのか「つむじ」なのかそれだけでは判断できません。地方で「さら」がある=つむじがあるといわれていたものが、中央に伝わった際に「さら」がある=「皿」があると違った意味に取られてしまったという可能性もあります。

江戸時代の絵画にはすでに頭に皿がある河童が描かれている様なので、もっと前の時代の河童事情を知らないといけません。


参考文献:『日本言語地図解説 核図の説明 3』