書き記すこと

昔、小説を読んでいて、こんな風に何かを書き残して誰かの記憶に残せる人は、世の中に存在する人のうち、ほんの僅かしかいないんだ、と感じました。
何かを書き残す、という行為自体は、ウェブという世界が構築されてずいぶんと楽になりました。
しかしながら、それを誰かの記憶に残すという点においては、昔よりよりいっそう困難になったのではないかと思います。
なぜかというと、ウェブという世界は、紙媒体もしくは、放送媒体に比べてずいぶんと広い世界だからです。この広い世界にはたくさんの思いや記録が残されていっています。
けれども、この広い世界の中で自分の中に入って、自分の中で吟味される思想や考え方や知識は、どれくらいあるのだろうかと疑問に思います。
こういう世界において、落ち着いて誰かの何かを自分の中にとどめたり、自分の何かを目の前の相手ではない誰かに伝えたりするには、どうしたらいいのでしょうか。