GOTH番外篇 森野は記念写真を撮りに行くの巻

題名にある森野さんというのは、森野夜という高校生の女性です。

記念撮影をどこに撮りに行くのか?というと、若い人に人気のインスタ映えしそうなスポットでもなければ、写真館でもありません。

7年前の12月6日、とある高校生が雑木林の奥で殺されるという事件が発生しました。

その殺人現場へ森野さんは記念撮影に行くというのです。しかも、同じ12月6日に。

そして、記念撮影のための写真を撮ってくれたのは誰か?というと、再び殺人現場を訪れた犯人です。

彼らは偶然、殺人現場に居合わせたわけではなくて、殺人現場に新たに建築物が建てられてしまうことが決まったので、最後に、と思い、それぞれの想いを胸にその場所に向かったという訳です。

要するに、気が合う二人ということですね。思考の過程に若干の違いがあるものの、結果的に彼らは、記念の場所に居合わせてしまったのです。

気が合うということは、その場に居合わせるだけで済むはずがありません。

そして、森野さんのような稀有な存在に囚われてしまう人は、やはり一人だけではありません。GOTH本編の主人公ですね。

森野さんが稀有であるからこそ、執拗に囚われてしまうのです。

しかし、そこにあるのは、愛情というような何かでは当然無くて、執着とも違う何かです。

感情という表層的なものではなくて、正でも負でもなく感情面はあくまでフラットな状態なのですが、おそらく彼の脳の活動を測定すると、かなりの領域が活発に活動しているに違いありません。

例え、森野さんが強姦されたり、死んでしまっても彼は泣いたりはしないのでしょう。

しかし、彼は森野さんがそのような危険(?)に晒されることを避けるように仕向けるのだと思います。

何故なら、森野さんを一番美しく殺せるのは、自分しかいないという意識があるでしょうから。

そして、森野さんはそのことを知らないのでしょうね。

だから、森野さんは今日も無邪気に事件に巻き込まれるのです。