錯乱するほど生真面目な小説の主人公

また長吉ちゃんの話題である。しかし、今回は長吉ちゃんの書く主人公の話題である。長吉ちゃんの主人公はどうやら皆生真面目らしく、


夜、アパートに一人座っていると、得体の知れない生への恐れが立ち上がって来た。


り、


ついには背中に火がついて走り廻る夢を見るようになった。


りする。


私のような凡人は、同じく一人アパートの万年床に座っていたとしても、生への恐れが立ち上がってくる前にアニメを見たり、ネットで美少女を見て頭を覚醒させたり、世界中の男が私を好きだったら良いのに等と馬鹿な妄想をして自らを誤魔化す。


こういうところが長吉ちゃんのような偉い人と私のようなぼんくらの人生の分かれ目である。


金原ひとみ嬢のような一見、そこらのねーちゃんと同じような姿格好の作家であっても、彼女の生み出す主人公は、錯乱、仕事、ソリティアのローテーションで生き、ソリティアをやっているだけで苦痛であるらしい。


だからと言って私が偉人に習って、アニメ視聴と妄想を素直にやめるわけでは無い。それらをやめると私は唯の病んだ人間になるだけで現在わずかながら行っている社会貢献もままならなくなるからだ。凡人は凡人らしく、凡人ができることだけをやればいいのである。


一体何を言っているのか。凡人に暇を与えると碌なことが無いという証明である。


そして、長吉ちゃんの小説は私のような凡人というかぼんくらの頭には大変悪い。頭に五寸釘を打たれたような錯覚に陥る。しかし、五寸釘を打ち込んでいるのは自分自身である。頭の良い人にはそれがわかるので、五寸釘を頭に打ったりしない。読み終われば直ちに、他の小説と共に綺麗に本棚に収納するだけである。


私は長吉ちゃんの小説をいくつか読んでみて、私は頭の良い人になりたいと思った。それが例え、長吉ちゃんの言う安全座布団に座っている人でも良いと思った。けれども、どうやら私は未だに唯の阿呆らしい。






とかいう思考に陥りますよ、長吉ちゃんの本を読んでいると…。


長吉ちゃんにしてもひとみ嬢にしても本当に独特の世界観を持った作家だと思います。


小説だからね。あんまり真面目に取ると危ないよ。彼ら主人公は二次元の生き物なのです。


けれど、「虚実皮膜」という長吉ちゃんのモットーの通り、二次元と三次元をうまく織り込んでるよなー。


ラブプラスやったこと無いですけれど、ラブプラスの危険性も分かる気がします。


相変わらず何故そういう話題で締めようとするのか…。


美少女を想って夜も眠れない日は長吉ちゃんの小説の主人公を思い出そうそうしよう。