パンツあたためますか?

今年もパンツを温めたい時期がやってまいりました。

女性のパンツは湯銭で、男性のパンツは電子レンジで温めるのがベストな方法です。

皆様もどうぞ暖かいパンツをお試しください。

きっと、心まで温かくなること請け合いです。

 

そして、暖かいパンツ(出来れば女性もの)を履いて、石山雄規 作『パンツあたためますか?』(角川スニーカー文庫、第22回[春]スニーカー対象優秀賞受賞作『マイナスイオン・オレンジ』)を読んでください。暖かい下半身と相まって心まで温かくなること請け合いです。例え、小説中の描写によって、目から水が零れて頬を濡らし、凍えてしまっても、新たに温めたパンツ(女性もの)で頬を温めれば、心だけでなく顔まで火照って幸せな気分になれるでしょう。

 

とりあえず、パンツからは一旦離れましょうか?あ、いえ、その握りしめたパンツはそのまま手にお持ちで結構ですよ?

 

主人公は、大学生で、最終的に成績がすべてがFになってしまうようなダメ人間です。

そしてメインヒロインは、主人公の部屋から主人公のパンツを盗んで持ち帰ろうとするストーカーです。

ダメ人間とストーカー美少女という対等な感じのする人達の何かもうノストラダムスの大予言に振り回されていないんだからね?と言いつつ、思いっきり振り回される二人みたいな何かですね。カフェオレ淹れながらドヤ顔でミルクに含まれるトリプトファンの効用とか語っちゃう系ですね。そんなオカルトみたいな美少女は存在しないって?いる訳ないって作中でも言っているけれど、目の前に存在するんだから仕方ないでしょう。そして、そんな美少女が何で主人公のことを好きになったかというと、人を好きになるのに理由なんて必要でしょうか、とのことでした。彼女の話によると、最寄りの駅のホームで二度ほど主人公を見かけたことがあり、二回ともずぶ濡れだったから覚えていたそうです。いや、全く意味が分かりませんね。そんなずぶ濡れでパンツまでグショグショに濡れそぼっているような主人公をどうして好きになってしまうのでしょうか?あっ、それはきっとパンツを温めるためですね。主人公の濡れたパンツを温めて乾かしてあげたかった。きっと、それだけのことなのです。それなら、私にも分かりますね。

「濡れたパンツを履いているのであれば誰だって良いのだろう?」

「そんなことありません!」

パンツを軸に色々楽しいことはあった。けど、この美少女は夢に向かってまっすぐ進まなければならない。パンツにこだわっていてはダメなんだっ!

 

すべてはパンツから始まり、パンツで終わる。そして、温める。湯銭と電子レンジを駆使して今日も一人で。

 

パンツあたためますか? (角川スニーカー文庫)

パンツあたためますか? (角川スニーカー文庫)